皇妃エリザベートの詩

場所:バイエルン
いつ:1851年
年齢:13歳
初恋の少年(パウムガルデン伯爵の子爵)が病気で亡くなり、幼くして死への恐れを抱いた。
そして2度目の恋の相手も亡くなり・・・・
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① 「さいは投げられた
ああ、リヒャルトはもはや葬送の鐘が響く
主よ我を憐み給え」
② 「おお、なぜ私に死がないのか。 君とともに、天にありたい」
場所:不明
いつ:1886年8月
年齢:48歳
詩を愛し互いの気持ちを理解し合ういとこルートヴィヒ2世がの死からなんとか立ち直り彼をしのんで書いた詩
そう、私は夢想王だった
高い岩山の玉座に坐していた
たおやかなユリが王笏だった
きらめく星が王冠だった
ひそやかな深い谷間から
また豊かに広がる林野から
民はつねづね畏敬こめ
王を見上げたものだった
だが腰抜けの廷臣と
血縁者らが共謀し 陰険にも
ひそやかに網を張っていた
わたしの失脚をねらっていた
彼らはいぬと医師を送りつけ
「狂王」を捕まえようとした
まるで密猟者が高貴な雄鹿を
だまして罠にかけるよう
彼らはわたしから自由を奪おうとした
わたしは波間に自由を見出した
幽閉されて失血死するくらいなら
湖中で硬直する方がましだった
場所:不明
いつ:1886年夏あたり
年齢:49歳
愛する息子ルドルフ、父、母、実の妹、いとこルートヴィヒ2世、旦那の弟たち身の回りの人が次々亡くなっていったころ晩年はどうしようもない虚無感に苛まれ、たびたび死にを口にするようになっていた。
死ぬことに対して悲嘆から羨ましいと思うほど「死」というものを昔とは別の視点でみるようになっていった。
いやそれでも、それでもあなたが羨ましい
あなたは人々から遠く離れて暮らし
今、神々しい太陽があなたの目を逃れ
頭上の星々があなたのために涙を流す
場所:不明
いつ:1888年6月13日夜半
年齢:50歳
2年後の命日にルートヴィヒをしのぶ詩を書いた。
ルートヴィヒの霊が眠るザンクト・ミヒャエル聖堂は、聖ミカエル大天使を祭った教会である。
ルートヴィヒ ルートヴィヒ 従弟の王!
ルートヴィヒ 真夜中です
西から黒々と嵐が迫っています
でもまだ美神の栄華は輝いています
ルートヴィヒ あなたが冷たく白く
黒い棺台に安置されてから
二年ではありませんか
なのにあなたの王国はみなしご同然?
きょう 湖の波は泣きながら
岸に打ち寄せています
湖の底も血を流しています
死期が迫っているかのように
暗い霊廟からは
重苦しい香気が立ちのぼり
薔薇もジャスミンも 憂わしげに
夜気をひたすばかり
あなたの暗い棺を飾る
花輪は薔薇とジャスミン
その花々が泣きぬれています
きょう あなたの命日に
聖堂内の天井は暗い
でも聖ミカエルは目ざめています
どうやら復讐を誓っているらしく
剣がぎらぎら光っています
場所:南ドイツ、シュタルンベルク湖畔
いつ:1892年1月
年齢:54歳
エリザベートにとって、スポーツは自らを最高の高みに引き上げてくれるツールだった。
皇妃が激しい乗馬競技で横乗りしながらバランス良く馬を操れたのは日頃のトレーニングの賜物だった。
月明かりの下 灼熱の太陽の下
私は岩の頂上へと登りつめる
雷や嵐や稲妻があろうと
灰色の霧がかかろうとも
なにも気にはしない。
場所:不明
いつ:不明
年齢:不明
乗馬を愛したエリザベートが乗馬への想いを綴った詩。
「乗馬を詠う」
①
私の魂であり
この地上の宝石である馬は
強く私の心と響き合う
天駆ける馬が
私の代わりになって
今、陶酔した私の魂が飛んでいく
②
世界がつらくなりすぎると
私は疾駆する馬にまたがって
自分自身を振り回し
俗せ間から離れる
邪魔なすべての人々から逃れる